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IoTによる生産性向上POINT

様々な原因で発生する設備の振動を詳細分析し、故障の原因を事前に予測することで稼働率向上を目指す

大分製紙株式会社

振動センサーを取り付け、振動の波形を解析し故障の原因を事前に予測。

増産と安定稼働を阻害する「異音」

設備停止時の振動データ

同社の製紙工程の一つである「リワインダー工程」(大きな紙のロールを小さなロールに巻き替える工程)では、複数のモーターが稼働していますが、時折異音が発生していました。これまでは、異音の原因が特定できず、事故や故障を防ぐためやむなく生産速度を落としていました。

増産に向けた喫緊の課題として、振動に起因する異音の発生原因を特定し、生産速度を向上させることが必要でした。このため、大分大学、スマートものづくり応援隊の柳井電機工業(株)とともに着手したのが、今回のIoTチャレンジ事業です。

何の揺れ?

正常稼働時の振動波形

あらゆる現場で使用されている回転機器について、不具合発生の予兆や現況を知らせる異音には、皆様も心を痛めたことがあるのではないでしょうか?

異音を引き起こす振動の原因は、同社の事例では、「7本のロールのたわみや摩耗による経時変化」、「機械事故(ベアリング等)」などが想定されました。更に、複数の異常が同時発生している場合も少なくないため、厳密に原因を特定することは非常に困難だと考えられていました。

今回のIoTチャレンジでは、設備ユニットの複数のベアリングケースに振動センサーを取り付け、大分大学との共同研究として、振動の波形を解析しています。

現在、振動波形データを、実際の設備状況データ合わせて蓄積し、正常時と異常時の比較分析しており、「振動発生のメカニズム」「揺れを収める方法」「ロールの交換時期」などの把握を目指しています。

問題解決に向けてはまだまだデータ蓄積、解析が必要ですが、とあるロールの事例として、振動のスパンとロール自体の形状実測から、「38角形に摩耗する」ということが分かってきました。人間の感覚では到底把握できない摩耗の実態が、精緻な分析から明らかになろうとしています。

異常時の振動波形
設備に設置した振動センサー

スマートファクトリー70

現在68期を迎えている同社では、節目の70期に向けてスマートファクトリー化を目指す「スマートファクトリー70」を掲げています。

昨年度も抄紙工程の熟練工ノウハウの見える化を目指し、IoT導入に踏み切った同社。
大分工場で培ったノウハウは、もちろん他工場にも移転される予定です。

未来のものづくりを先取りする同社のスマートファクトリー構想は、他業種の皆様にも多くの示唆を与えるモデルとなるでしょう。

企業名
大分製紙株式会社
所在地
大分市錦町2-15-27
設立年
1953年
従業員数
207名
代表者
代表取締役 田北 裕之
担当者
製造部 薬師寺 活知
TEL
097-534-7777
メール
yakushiji.katsutomo@oita-seishi.com
ホームページ
http://www.oita-seishi.com/

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