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IoTによる生産性向上POINT

主要設備の故障予防保全による安定稼働確保

大分もやし協業組合

停められない設備の故障・部品交換を事前予知

いち早く製造自動化の取組を開始

もやし栽培室の温湿度・水分等を管理するモニター

大分もやし協業組合は、大分県内及び九州各県にもやしを供給する事業者です。
毎日の食卓に並ぶもやしは、毎日の出荷が必要なのはもちろん、正午には工場からの出荷を完了しないと物流に載せることができません。
このため、担当従業員が午前2時から作業を開始し、もやしの洗浄、梱包、検査、出荷業務に追われてきました。
こうした過酷な業務の負担を軽減するため、同社では、もやし栽培中の温湿度・水分量等の環境管理、工程の自動化などにいち早く取り組んできました。

自動化から安定稼働へ

振動でもやしの根を切るライン

同社が順次進めてきた自動化、IT化、ロボット化の取組により、従業員の負担軽減と安定生産体制は整ってきましたが、新たな課題が生じました。
それは、「自動化した設備の故障予知・予防」です。

栽培環境を管理するための換気設備、洗浄ラインや根切りラインに使用されるモーターなどは、故障してしまうと製造プロセス全体に重大な影響を与え、復旧作業の間は製造ができません。復旧が長引けば商品の供給責任が果たせず、企業の信頼失墜を招き甚大な損害となります。生産が減少した分は他の製造者に依頼して調達するしかなく、必要量確保や調整などを含めた損害は甚大なものとなります。
こうした状況を未然に防ぎ、安定生産を継続するために導入するのが、IoTを活用した「予防保全システム」です。

モーターなどの稼働データを継続的に計測し、分析することで、故障の予兆を把握し、「停止」に至る前に部品交換などを行えるような体制を構築することを目指しています。
具体的には、設備に後付け設置するセンサーで稼働状況を計測し、無線ネットワークで情報を集約。点検や部品交換が必要な状況で対応業者が即時に向上に来られるよう、データを共有するというものです。
IoTシステムの主要部分は、おおいたスマートものづくり応援隊の島田電子工業(株)が担当しています。

従業員をクリエイティブな人材に

出荷される小袋もやし

同社の板井 達男 代表理事は、一連の自動化、IoT化の取組がもたらす効果として、安定生産に加えて「従業員のレベルアップ」を挙げます。長時間労働や、一部工程に専従する勤務体系では斬新なアイデアはなかなか出てきません。

板井代表理事は、当社の将来像について、「将来を担う人材が、労働者ではなく管理者の立場で仕事を捉え、新しい取組をどんどん進めていくようなクリエイティブな人材になってほしい」と語ります。
「人手不足の解消」という喫緊の課題を超え、人材力で企業の将来を切り開く同社の気概が感じられました。

企業名
大分もやし協業組合
所在地
大分市大字下戸次1534-1
設立年
1990年10月
従業員数
28名
代表者
代表理事 板井 達男
担当者
製造部 小野 泰
TEL
097-597-7878
メール
y.ono@omk.or.jp
ホームページ
http://www.omk.or.jp/

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